本稿では、すでに投稿してある都営交通乗車証の非公式ガイド(コチラを参照)を補足する形で、ICカードパスモ版で都営線以外を乗り越しする場合の使い勝手を簡単に紹介したい。
本記事は都営交通乗車証所持者(精神障害者)専用の記事になるので、一般の方はスルーしていただきたい。
この乗車証がICカードとして発行される時には他社線に乗り越しする場合する場合の使用方法が説明されず、東京都のホームページにも使い方が記載されていなくて、使いこなせていない方が多いのかと思う。
結論は非常に単純で、直通運転先の京成、京急、京王、東急線への乗り越しの場合のほか、九段下駅などからの東京メトロ線、さらにはその乗り入れ先へ乗り越しした場合であるが、技術的には、
発行日から2年間有効の都営地下鉄(および都電・バス)全線定期券
としての扱いとなり、都営線の最寄り駅と降車駅の最安の運賃額がICカードから差し引かれる。実は便利で、使い勝手が大変良い。
もちろん、この乗車証(定期券)が載ったICカードに運賃をチャージしてある場合に限る。
ただし、この扱いは普通運賃(大人運賃)として差し引かれる場合のみで、他の定期券を併用したい場合、1枚のICカードに定期券2枚を載せることができないので、ICカードを2枚持つ形になり、自動改札を通過できなくなる。その点はお含みおきいただきたい。
さて、実際に運賃をチャージして都営地下鉄の駅から入場し、他社線の駅で出場した例を紹介しよう。
都営線のある駅で自動改札機でこの乗車証をかざすと、「定期券使用」と表示される。ここで、もしも「SF使用」と表示される場合は運賃が差し引かれており、問題があるので、すぐに駅員さんに確認されたい。
現在は九段下駅で東京メトロ半蔵門線と乗換改札なしに乗換ができるので、そこで乗り換えて、半蔵門線上のある駅まで向かって、降りるときに乗車証をかざすと、九段下駅からの最安運賃がICカードから差し引かれて出場できる(これはSF使用である)。
このケースでは、引き落とされる運賃額は10円単位の運賃ではなく、ICカード用の1円単位の運賃となる。
利用明細を印字してみると、360円差し引かれた行の日付の右側に、「定」と表示されているのが、その証拠である。
自動で引かれるのは大変便利だが、精神障害者に対する運賃割引は存在しないので、大人運賃での引き落としになることを、一応確認しておく。
同じ乗車証でも、紙券や磁気券ではこの使い勝手を体験することができないし、他社精算の場合は原則10円単位の運賃となる。接続他社線の定期券を購入しない限りはなかなか使い勝手がいいので、ICカードのお勧めの使い方である。