マイナンバーの懸念(障害者手帳・自立支援医療申請)

精神疾患
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掲題の精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)の2年ごとの更新と、自立支援医療(精神通院)の毎年の更新の申請時期が筆者にとってもうすぐやってくる。

が、今回の手続きは従前とは様子が違う。今年から、いわゆるマイナンバーの運用が始まっていて、これらの手続きに早速適用されてくるのである。

障害者手帳(精神に限らず)とマイナンバーが紐づけられて、運用もしくは情報漏れなどの事故によって、マイナンバーから障害者であることがバレバレといった最悪の事態が考えられる。

マイナンバーの利用が広く医療機関や民間に開放されると、精神障害者を含む障害者には脅威となってしまう懸念がある。日本では、障害者が健常者と区別されていて、何だかんだ言って障害者が不利益を受けているためである。また、大きいのは、就労時にマイナンバーを雇用主に通知しなければならない点で、障害者がクローズドで働くことが難しくなってしまうという声が聞かれる。(行政だけでマイナンバーが運用されている最初の段階では、いくつかの注意点を除いて従前と変化はないのだが)

差別社会の日本にあっては、同じような個人番号制度が導入されているアメリカのソーシャルセキュリティ番号や、シンガポールのNRIC(国民番号)とはわけが違うことに留意する必要がある。それらの個人主義の国であれば例え障害者であっても一個人の問題で済むのだが、障害者という属性を持つだけで社会生活に大きな不利益が存在する日本社会と一緒くたにしてはならないと考える。

ちなみに、シンガポールではNRIC(外国人はFIN)が銀行や携帯電話、一般商店のポイントカードなど民間でも利用されていて、あらゆる手続にその個人番号が必要であるのだが、日本政府がこれと同じことを考えていたら、恐ろしくて背筋がぞっとする。

うがった見方だが、マイナンバー制度を政府が立ちあげた理由は、早く言えば政府の収入(税収)増大と支出(歳出)減少で、国債費の償還を急ごうとしているのかとでも考えてしまう。その中で目を付けられたのが年金、福祉といった社会保障ということなのだろう(その中でも、特に生活保護の徹底管理か)。最近何かと厳しい締め付けが弱者にはこたえるといった構図だ。

マイナンバーのロードマップを見る限り、マイナンバーの広範囲の利用に成功した場合、在外邦人の管理を含め、政府による国民管理が恐ろしく強化されることが分かる。(下記総務省URLを参照)

クリックして150917_2_soumu.pdfにアクセス

さて、話を戻して、掲題の障害者手帳と自立支援医療の申請用紙を入手したが、自立支援医療の用紙には、すでにマイナンバーの記載欄がある(障害者手帳の申請用紙には、今のところないが)。
タイミングよく区の広報紙が来て内容を見たら、この申請方法が触れられていて、やはりマイナンバーが必要ということで間違いない。

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精神疾患で長期間通院が必要な人や障害者枠を利用したオープン就労を目指す人には必須の制度なのであるが、マイナンバーに申請履歴が紐づくことは確実なので、今後は腹をくくって制度を利用することになろう。

東京都の申請用紙は次のようになっているが、申請用紙の冒頭にマイナンバー(個人番号)の記載欄がある。

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本人が18歳以上の場合は本人のマイナンバーだけで済むが、18歳未満の場合は保護者のマイナンバーも必要になってしまう。

分からないことが多いマイナンバー制度であるが、障害者福祉に関する施策でも気がかりな制度が始まってしまった。
本稿ではマイナンバーの紐づけにフォーカスをあてたので、申請自体が完了したら、また別稿を立てて詳細をご紹介したい。

(アイキャッチ画像出典:総務省ウェブサイト)

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