大手特例子会社(障害者枠)受験 ~溜飲から得た教訓~★

精神疾患

2016年秋、筆者もようやく就職準備性が整い、障害をオープンにした就職活動に臨めるようになりました。

ハローワークで見つけた求人で、大手通信系(元公社)のある特例子会社の求人案件に応募ができ、丸々1か月間かけて最終選考まで臨みました。採用目の前の段階まで進めたのが信じられなかったのですが、内定を寸止めされて結局不採用という目にあいました(入社予定日を直前になってちらつかされたにもかかわらず)。

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とにかく一生響くようなひどい思いをさせられた

まずお伝えしたいのは、本来障害者への配慮が期待される特定子会社での採用選考で、そのプロセス=進み方が求職者の事情を無視したバタバタさで杜撰なものであったことです。結局会社側(雇用主)の都合がまかり通ってしまうものと感じさせられたものです。

面接官が、口では「配慮」をしつこく連呼しながら、実際には配慮がまるで感じられなかったので、個人的にはこの会社に応募したことを強く後悔しています。

余談ながら、この会社が日本における通信インフラを裏で一手に握っていて、それゆえこの傲慢さに至るだなと現在も感じています(この会社の通信サービスの直接の利用を回避しようとしても、どこかのプロセスで間接的に握られているということ)。

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特例子会社での就労は福祉的就労ではない

特例子会社にもいろいろありますが、職務経験が少ない人でも入社できる会社がある一方で、この会社のように、グループ会社勤務経験者などの即戦力でなければ入社が難しい会社まで様々です。

特例子会社は、法定雇用率のカウントの例外が認められた会社であるので、採用選考や就業配慮など、配慮が一般の会社よりも手厚くないといけないと思うのですが、今回その配慮が結局感じられなかったので、社会的責任を十分果たしていないという考え方もあろうかと思います。

障害者雇用においても、実は、企業によって多かれ少なかれ差はあれ即戦力性をいくらかでも期待されているというということを認識しなければならないと考えています。

労働の対価としての賃金を得ているからなのであるが、この辺の感覚が、求職者、支援者ともに、就労支援機関など福祉の現場では麻痺してしまうので気を付けなければなりません。これは、今回の体験での気付き・教訓であり、今後の受験の心構えとして活かしていきたいところです(福祉と就労は違うということ)。

この会社のハローワーク求人票の内容

以下が、当時応募した求人の求人票の内容です。ハローワークで求職登録をしていれば、ネットでも当該求人を閲覧できますが、その表示レベルに合わせるよう、企業名と所在地などは隠してあるのでご了承いただきたいです。(すでにこの求人はクローズされており、閲覧できません。)

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この求人(電話オペレータ)に求められる経験ですが、「未経験者可能」という記載とは違い、実際は即戦力しか採用しないそうです。特に、クレーム対応がすぐにできる人かどうか、面接官が口にしないまでもかなり気にしていたようです(ハードクレームも極力頑張って対応してほしいとのことでした)。

その証拠に、仕事内容の中に、「コールセンター経験、マネージャー、スーパーバイザー経験があれば尚可」とあるので、元々求人票の記載の仕方に矛盾があるのは明らかです。実は採用ハードルが高いと感じさせられます。

しかしながら、この会社に限らず一般的に、「尚可」表記があれば、元々即戦力志向だということを読み取ることは、求人票読解の上では一般常識なのでしょう。筆者は特例子会社というところで油断してしまい、不覚なことだったと思います。

その証に、選考方法も、求人票記載とは違い、書類選考、筆記試験ともにありました。面接も3回あってハードでした。筆記試験は特にハードで、適性検査(性格検査含む)、作文、国語、PC操作試験とてんこ盛りでした。この会社への応募は現在でもお勧めしませんが、それでも受験したいのならば、あらかじめ心されたいと思います。

採用選考での支援機関介入が不可の案件だった

また、筆者のように支援機関を利用している障害者も多数いるかと思いますが、この会社の選考には支援機関が介入不可だったので、今回のように滅茶苦茶な段取りをされた場合のフォローアップが困難なことが問題です。

普通の特例子会社であれば(一般事業会社であっても)、選考段階から支援機関のフォローアップを受け入れる会社が多いと思われます。ということからも、ハローワーク以外にも求人サイト経由でも求人を出しているこの会社は、特例でもかなり特殊な部類の会社で、要注意だったことを見抜けなかった筆者自身が浅はかで、現在でも悔しいです。

その背景には、このコールセンターの深刻な人手不足があり、人の育成どころではないのではないかと推測しています。

それにしては、高い即戦力性が求められながら、肝心の給与レンジが月給20万円に届かないのはかなりの薄給と言わざるを得ません。この辺が旧来の特例子会社らしいですね。需給ギャップが存在するため、余計に人が集まらないのだと思います。

しかしながら、福利厚生は断トツで、年齢によって住宅手当(社宅はない)、夏季休暇と有給休暇(実際に消化できる)その他のサービスで、さすがは大手通信企業グループと思わせられます。

当時の採用選考プロセス

実際の選考は、次のように進みました。
この会社のホームページに載っている内容と寸分の違いがない内容でした。

(1) ハローワークでの面接会

面接20分間(事前の書類選考はなし)

リワーク(就労移行支援)に通っていることを高く評価してくれたようでした。
結果連絡は1週間後にありました。

(2) 本社での選考:1回目 … (1) の10日後

一次面接約50分間、適性検査

ここでも、リワークに関しては印象が良かったようです。
結果連絡は翌週早目にありましたが、入社時期を了承できるか念を押されました(連絡の6日後が会社側が設定した、下記入社日)。支援機関と相談すると回答しました。

(3) 本社での選考:2回目 … (2) の13日後

二次(最終)面接40分間、筆記試験(作文など)、PCチェック

現場部長クラス(当該コールセンターのセンター長)との面接で、リワークや障がいが考慮されるどころか、逆に評価が下がったようでした。質問内容が、健常者に対する内容とあまり変わらなかったです。

その結果連絡はなく、これで、不採用が判明したわけです。(2週間後に書面通知がありましたが、遅くて憤りました。)

不採用になっての教訓 – 精神障害者への無理解

この日は既に月末の最終日で、もし採用を告げられた場合、翌営業日である月初での出勤が強制されました。入社準備にはいろいろと手間がかかるものなので、それは受け入れられなかったです。受かったとしても辞退することを決めていました。

最初の選考での人事の担当者がとても人柄の良い人だっただけに残念だったのですが、最終選考での現場のセンター長の対応や姿勢が良くなかったので、避けて結果オーライだったのです。

繰り返しになりますが、この会社は、いやしくも障害者雇用のための特例子会社なのです。配慮なしに雇用を促進し、法定雇用率を満たすのは本当に可能なものでしょうか?? 最大手の元公社の会社なので、余程の自信があるのでしょうか。

一方で、面接の過程で、最初の段階の人事担当者には、リワーク(就労移行支援)利用者に深い理解があったことが十分感じられました。週5日リワークに通所し、生活リズムが整っていることをアピールできるのは、障害オープン就労には強い武器であることも実感できました。

ただ、この会社の場合は、現場や部長レベルが強く、上層部の理解がまるでなかったことが残念です。

人事で障害者雇用(特に精神障害者)を進めたいと考えていても、現場レベルの理解が薄く、思ったように進んでいないという現状は、この会社に限らずに、いまだに多く存在するのではないでしょうか。

一般の会社だけではなく、特例子会社を受ける場合でも、採用選考を受けながら配慮の有無や様子を注意して観察し、入社するかしないかを慎重に決めることをお勧めします。

(アイキャッチ画像出典:ぱくたそ https://www.pakutaso.com/userpolicy.html)

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