福岡市の福岡(天神)駅と大牟田市の大牟田駅の間を縦断する西日本鉄道(西鉄線)。大手私鉄ながら、障害者運賃割引の対象者に精神障害者保健福祉手帳所持者が追加されています。本稿の執筆時点では、日本の大手鉄道事業者の中では唯一の精神障害者への割引を提供している貴重な存在です。
本稿では、西日本鉄道(西鉄バスを含む)における精神を含む障害者に対する運賃割引の概要、割引きっぷの購入方法をご紹介します。
また、西日本鉄道および西鉄バスの交通系ICカードである「nimoca」にも障がい者用カードがあり、乗車の都度割引きっぷを購入する必要がありません。nimocaの障がい者用割引カードについてもその情報を共有します。
※(免責事項)以下の情報は本稿執筆時点の概要であるため、実際に利用される際には、詳細について当該事業者に各自確認をお願いします(特に介助者の付き添い要否に関して)。
※(お願い)本記事の内容を参照・引用して他のウェブサイトに掲載する場合、情報引用元として必ず、本ウェブサイトのURLを当該サイト上に明記してください。
目次
西日本鉄道における運賃割引制度の概要
【対象者】
精神・身体・知的障害者
(身体・知的第1種/精神1級)
障害者本人および介助者1名
(身体・知的第2種/精神2・3級)
障害者本人のみ
※ 手帳の発行自治体による制限は特にありません(手帳を保持していれば割引を受けられます)
【対象区間・設備】
西日本鉄道・西鉄バス全区間
【運賃割引率】
50%(半額:障害・等級による区別なし)
※ 普通乗車券、回数乗車券(全員)および定期乗車券(第1種・精神1級のみ)が割引になります。

普通乗車券の買い方
駅の自動券売機で「わりびき」のボタンを押して、券売機の横から出てきた駅員に手帳を見せて、乗車する区間の割引きっぷを購入します。自動改札機を通ることができます。
無人駅から乗車した場合は、車掌に手帳を見せて乗車券を購入します。
紙のきっぷの券面には白抜きで「割」が表示されています。

「nimoca」障がい者用カードの買い方・詳細
【購入方法】
主要駅の定期券売り場(nimoca総合カウンター)で手帳を提示して購入します。定期券売り場のない駅では、割引カードを購入できません。購入時に、氏名、生年月日、住所、電話番号を申込書に記載します。
nimocaは、デポジット500円+SF分1,500円の2,000円から購入することができますが、他の交通系ICカードよりも初期費用が高いです。

【使用方法】
カードの右下に「障」と表示され、割引カードであることがわかります。
割引カードはそのまま自動改札機を通れ、半額の割引運賃が引かれます。有人改札を通る必要はありません。
西鉄バスを利用する際は、ICカードを運賃箱にタッチすることで、割引運賃で乗車できます。
【有効期限】
精神障害者保健福祉手帳の場合、当該手帳の有効期限もしくは次々回の誕生日の早いほうがnimocaの有効期限になります。それ以降使用したい場合は、更新の手続きが必要です。
【他線関連】
福岡市内を走る地下鉄ではこのnimocaを使用することができません(「はやかけん」が別途必要です)。JR九州など他の交通機関では自動改札を入出場できません。
逆に、福岡市地下鉄の割引「はやかけん」カードを西鉄線内で使用することはできません。
※ 例外的に、nimocaエリア内の他の交通事業者でも使える場合があります(熊本市市電など)。

他の交通系ICカードの場合の留意点
nimoca障がい者用カード以外の交通系ICカード(Suicaなど)を自動改札で利用した場合、運賃割引が適用されず、無割引の大人運賃が引かれます。
また、手帳を提示して有人改札を通って運賃の半額割引を適用してもらうということもできません。交通系ICカードを利用する場合、nimoca障がい者用カードを事前に購入する必要があります。
参考資料 References
